根室市立病院 医師6人。まさに病院クライシス。

これに対してのA企画の病院再興案

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 今年の4月から(つまり今日は3/31だから,明日から),根室市立病院は6人の常勤医で診療をすることになりそうだ.

 確認はとれていないので,定かではないが,ここでは,常勤医が6人しかいなくなった市立病院を再建するにはどのようにしたらよいのかを語っていきたい. 

 何分、伝聞なので詳しいことは分からないが、どう見ても常勤医が6人というのは危機的状況。

 A企画では今まで何度も明瞭な基準を示しているが、まず、当直はひとり1ヶ月に4日以内に抑えなくてはならない。当直の手伝いが根室に来ているのかどうかは分からないが、当直日数が4日を超え5日、6日となると、これはたとえ寝当直でも体が保たなくなる。このような状態に医師を置いてしまってはいけない。

 また、当直の日も含めて、夜中というか夜の12時から朝の5時の間に働く日が、月に6日 - 8日以上あると、体がダメになってくるし、過労死の危険性がグッと高まる。このような労働環境は危険である。このことには働く医師も管理者も最大限に注意されたい。

 まずは、24時間診る、なんてことをいつまでもやっていてはいけない。午後5時で終了する。ないしは、見舞いの人が帰る午後7時を以て、外来患者は診ない、門を固く閉じる、などとしていく必要がある。

 土・日・祝日は閉じる.そのようにしていかなければならない.中途半端に明けていては医療事故の元だし,各専門の医師を根室市内に待機しておかなければならなくなる.そのようなことはもはや不可能なのである.そのことを根室市民も根室市長も根室の市議会議員も知っておく必要がある.

 土日祝日フリー.平日も深夜は救急に対応しないと,明示しなければダメ.それでないと,その様な非番の時に診療しないと市民の「タレコミ」があった場合,情勢を理解できない市会議員あたりがクレームを言ってきたりする.その様な馬鹿な市会議員にも対抗できるようにしておかなくては市立病院を守ることはできない.

 また、当直こそがもっともつらい仕事であると理解されたい。医師の給料を上げるのは私は否定はしない。しかし、むやみにあげるより、当直料上げる、と言う風にしていくのが良い。むやみに高い金額を提示しても、それは人目は引くだろうが、根室市にも予算というものがあるし、お金というものは同じ出すにしても、もらう方にとって嬉しい出し方と、ただ出されても何にも嬉しくない出され方がある。当直料を評価してあげるというのは、病院管理者側、勤務する医師側にとって非常に大事なことである。

 さらに、新しい医師を募集しなくてはならない。これは, A企画の様式に従って、なるべく詳細に書く必要がある。委細面談、などとしては絶対にダメ。職を探している医師もいるし、根室は僻地であるが、そのようなところに1年か2年なら住んでみたい、という医師もいるのである。いや、結構いるものである。だからこそ、条件は丁寧に記載しなくてはならない。

 当たり前だが、給料だけではない。どのくらいフリーな時間をとれるのか。当直は月に何回か。当直は寝当直か、あるいは、患者がドサドサと来るのか。眠れないのか、眠れるのか(だからこそ、外来を5時なり7時なりで閉める必要があるのだ。求人の条件にも関わってくる)。夏休み、正月休み等の長期休暇は取れるのか。学会には行けるのか。これらをクリアにしなくてはならない。

 また、根室だと、遠方から単身赴任で来られるケースも多い。このような人にはたとえば、月のうち、その月の1日から20日まで働いてもらう。そして10日間は休みにする。その休みを利用して家族の元に帰省してもらう。ただ、2/3しか働かないのだから、給料も2/3にする(給料もきちんと減らさないと、他の勤務医との釣り合いがとれなくなるので注意)。このような求人の仕方もある。

 実はこのように特殊条件をつけると、意外と人は集まるものである。当たり前であるが、2/3しか働かない人でも、2人来れば大きな力となる(もちろん、一人来ただけで全然違う)。

 繰り返すが、1-2年くらいなら根室で働きたいと思っている医師は結構いるということだ。きちんとした、求人条件を出すことが肝要であるし、このようなことを当A企画に相談されるのも、ひとつの有効な手段である。

根釧地区の眺め

根室病院、常勤医師が6人に 夜間など救急外来休止

平成19年4月6日

 ◇前年比5人減
 市立根室病院(荒川政憲院長、病床数144床)の常勤医師数が前年比5人減の6人になり、9日から当面の間、小児科を除く全科で平日夜間と土日祝日の救急外来を休止する。長谷川俊輔市長が5日、明らかにした。緊急時に医師が病院に駆けつける自宅待機態勢となり、救急車で搬送される重症患者のみ受け付ける。


 今年1月、内科医4人のうち3人を派遣してきた旭川医大が3月末で同病院への派遣打ち切りを通告。陳情などの結果、3人(前年比1人減)を確保し、内科医不在の危機は免れた。しかし、外科と整形外科に各2人いた常勤医師は確保できなかった。現在は2科のいずれも非常勤医1人で、手術もできない状況。


 長谷川市長は「最低でも(常勤医)10人態勢になった時、改めて救急外来の(再開を)検討したい」と述べたが、現在、当直可能な常勤医は6人中3人で、早期の再開は難しそう。同市では、マイカーやタクシーでの来院も含め、毎晩12-13人の夜間救急外来患者がいる。このうち救急車での搬送は一晩平均約1・3人。【本間浩昭】

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がんセンターが蹴った「中川昭一からの要請」
「無理難題」か「地域医療問題の縮図」か。最果て、北海道根室市の市民病院への医師派遣を巡り、東京で政官医トップのバトルが勃発した。
AERA 2007年4月16日号
http://www.aera-net.jp/aera/index.php

[要約] 今年4/3に厚生労働省国立病院課の関山昌人課長が、土屋了介院長に国立がんセンターの外科医2名を、北海道の根室市の市民病院に派遣して欲しい。と要請した時に「政権与 党の政調会長(自民党の中川昭一政調会長)からの依頼もあった。医政局長も了解していることです」などと、政治家の名前まで出して、国立がんセンター中央病院の院長に圧力 をかけたそうです。

 がんセンター中央病院は乳がんの手術は5週間待ち、前立腺がんの手術は2ヶ月待ち。決して医師に余裕のある病院ではない…。
 しかしこの問題について、中川政調会長は関与していないというが、まさに自分の父親の地元だけに全く関係がないとは言い切れない。

 厚生労働省の関山課長によれば「中川議員に限らず、民主党や共産党の議員の名前も出して、国会質問などで市立根室病院の医師不足を何とかして欲しいと要望が出ている、とい う話をしました」とのこと。

 常勤医は2005年度17名、06年度11名。今年の四月以降はついに6名。市内唯一の産婦人科と脳神経外科に続き、9日からは外科と整形外科が一部休診に追い込まれる。 医師を派遣していた旭川医大は余裕がなく引き上げたことが原因だ…。

 ただ、医師不足は何も根室だけの問題ではない。同じように深刻な不足に悩む病院は全国に数多い。

 ちなみに憤慨した土屋院長は、中川氏とは因縁の関係の元自民党の実力者、あの鈴木宗男代議士に直訴した。 しかも、根室は「鈴木」の古くからの完全な地盤だ。 地域医療問題の縮図から、別次元のバトルまで始まるかも知れない。



市立根室病院 常勤医当面5人減 外科、整形外科で不在に

 根室市は、医師が引き揚げられる内科、外科、整形外科で、道や札幌医大、国などに医師派遣への協力を要請。
 内科医は、札医大や自治医大出身者ら前年度より一人少ない三人を確保した。
 だが、それぞれ二人体制だった外科、整形外科では、国に要請していた国立病院機構などとの調整がついていない。

掲示板に投稿された意見を抜粋して記事に載せることがありますが,ご寛大なお気持ちでご容赦下さいませ(一部改変することあり).ご不快に思われましたら,掲示板,または,consultanthokkaido@gmail.comの方へご一報下さいませ.削除いたします.また,掲示板の内容で不適切と思われるものは,削除することがあります.

掲示板2 を新設しました.皆様のご意見の新規性(ノイエス)をなるべく保ちたいと思います.従来の掲示板か,この掲示板2のどちらかにご意見をお書き込み頂ければと思います.

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姉妹都市・根室の医師不足救え 黒部市が外科医派遣

2007年04月17日(北日本新聞)

 黒部市民病院(新居隆院長)は十七日から五月六日までの二十日間、北海道根室市の市立根室病院(荒川政憲院長)に、外科医四人を交代で派遣する。医師不足にあえぐ根室病院の?SOS?に応えるためで、市民病院のスタッフは「こちらも医師不足に変わりはないが、見過ごすわけにいかない。助け合いの精神を発揮したい」と話している。

 根室病院は市内唯一の総合病院で、百九十九床を備える。三月末まで十一人の常勤医師がいたが、新臨床研修制度の導入に伴う大学の医局による医師引き揚げの影響などで、今月一日から五人減の六人体制となった。外科と整形外科の常勤医は不在となり、救急医療への対応はもちろん、通常の診療や手術すらできない状態となっている。

 新たな常勤医を確保できるのは、早くても大型連休明け以降になることから、同病院を運営する根室市は今月上旬、姉妹都市提携を結ぶ黒部市を通じて、黒部市民病院に医師の一時派遣を頼んだ。

 市民病院側も、眼科など一部の診療科で欠員が生じるなど、医師確保に頭を痛めている。要請に応えられる態勢ではないため、いったんは断った。しかし、黒部、根室両市は北洋漁業の開拓を通じて古くからつながりが深く、姉妹都市提携を結んでから三十年超の交流の歴史があることや、根室市民の窮状を考慮し、災害支援に準じる形で派遣を決めた。

 現地に赴くのは竹山茂副院長兼外科部長と三人の外科医。一人数日間ずつ交代で根室病院に詰め、外来診療や救急医療に携わる。

 根室病院のスタッフは「隣の釧路市の病院までは百二十キロ以上離れており、市民の不安を解消する意味でも医師の派遣は本当に助かる」と感謝している。市民病院側は「現地の深刻な医師不足の現状を身をもって知ることで、われわれの今後の対応策を探ることにもつなげたい」としている。


【コメント欄】

 A企画:仕方がないと言えば仕方がない.困っているときに

はお互い様.黒部市の友情に感謝する,としか言いようもないが,お金は沢山かかる.

 交通費だけでも莫大だし,さらに出張医の費用もかなりにものになる.

 出張医はあくまでもワンポイント.患者の方もいつもいる常勤医にかかりたいと思おうものである.だから,ワンポイントで行って外来をやっても,外来は閑散としているのが普通.

 こういう金を払えるのなら,前々から,常勤医に時間外手当をきちんと払っていても充分見合うのになあ,と思います.


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