江別市と江別市立病院のこと

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 江別市立病院のことを語ってきましたが,江別ってどんな街,であるかを,簡単に説明させていただきます.

 江別は人口180万の札幌市の隣町で,人口12万人です.

 札幌はいくつかの市や町で囲まれています.挙げますと,小樽市,石狩市,北広島市,そして江別市,となるわけです.

 この中で,心理的に,距離的に,近さ,遠さ,と言うものがあります.つまり,札幌の端の大きな山の峠道を抜けてやっと達する隣の町と,街が連続していて,自然に隣の市に入っていた,という隣の市もあります.
 そのような意味で言いますと,江別市,というのは,心理的にも距離的にも札幌から最も近い市と言えましょう.

 また,札幌の江別側,ないし,江別の札幌側に進学実績のある私立中学,私立高校が何校かあります.
 札幌の副都心と言われている,新札幌という地域があり,ここが江別と隣接しています.
 ここまで言うとなにやら土地勘が湧いてきませんか.

 もっと続けますと,江別市立病院に勤務している人で,10年目以上のベテラン医師の多くはこの新札幌エリアに住んでいる人が多いはずです.大体ここから,高速道路のような国道で15分も走れば江別市立病院に到着します.

 朝のラッシュ?  そんなものはありません.とにかく郊外ですから.
 また,百歩譲りまして,郊外から札幌の中心部へ向かう道は朝は混雑するかも知れません.しかし,新札幌から江別に向かう方向は,その逆ですね.車はスイスイ進むはずですよ.

 このように住職接近,子供は近所の進学実績のある学校へ通わせる・・・ひとつの勝利の方程式です.

 このような土地柄の良い江別市立病院で,内科医7名の一斉辞職が起きて,かつ,後釜も見つからないという今の現状は本当に驚きです.

 一昔前ではちょっと考えられなかったですね.やっぱり研修医制度が始まって,医局員の数が激減したので状況は大きく変わりました.

 かつてのように潤沢に人が医局に入っている時代であれば,江別市立病院ほどの病院ならなら,札医大,旭川医大に頼めば,江別は札幌に近く場所柄が良いので(いわゆる,良いジッツ),すぐに医局員派遣は可能だったはずである.

 いや,「是非,うちの医局員を派遣させて欲しい」と手を挙げる医局もあったと思う.しかし,いかんせん,札医大も旭川医大の医局も人がいない.だから医師を送るのは不可能なのです.そして,江別市立の内科は半分閉鎖のような状態になりました.

 札幌市は,10万人あたり医師の数が250人以上居る,全国でもトップクラスの医師過密地帯です.その札幌に隣接する江別市立病院でさえ医師不足にあえぎ,内科医大量辞職を招き,病院機能を喪失しつつある状態です.

 その現状を理解し,医師の待遇を考え,このような大量辞職を招かないように病院管理者は細かく気を配らなくてはなりません.以前と同じようにやっていれば何とかなるという時代ではなくなりました.そのように私は思います.

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