3千万円で産婦人科医師を公募すれば大学の助教授クラスが飛んでくる?
 

 3000万で産婦人科の助教授が飛んできて勤務してくれる,とは,この尾鷲市議会生活文教常任委員会で浜口議員より出た.その議事録を下記する.

 この浜口議員という人も,市議会議員という立場,また,このような公開の会議で暴言が過ぎるのではないだろうか.実際,浜口議員の言うように産婦人科医が勤務してくれるのなら問題はない.しかし,実際はそうなっていない.気配もない.彼の発言は荒唐無稽のものであったわけだ.

 私の経験で言えば,このように,市議の先生がうるさく口をつっこんでくる市立病院にろくな所はない

 例えば,美唄市立病院.ここも,何かちょっとしたトラブルがあると,よく市議が怒鳴り込んできたという.例えば,夜中に歯が痛いと言って,市立病院を受診した患者が居たが,市立病院には歯科がない.診療を断ったところ,数日後,市議が怒鳴り込んできたという.

 市民の訴えを聞いたら,何かをするのが市議の仕事.怒鳴り込むのも元気の良い市議の先生には,お安いご用というわけだ.少なくともヤクザの事務所に怒鳴り込むより簡単だろう.しかし,昨今の医師不足.時と場合を考えなくてはならないだろう.

 美唄市立病院はどうなったか? 数年前,医師がドミノ式に辞めていき,病院機能は瓦解.今,老人施設としてやっている.このような現象も,今は珍しくない.

市長に更新交渉一任・・・市議会生活文教委 総合病院の産科医師

 尾鷲市議会生活文教常任委員会(与谷公孝委員長)が25日午前開かれ、尾鷲総合病院の産婦人科医師との契約更新について「率直な意見を聞いて最終的な判断をしたい」と意見を求めた。委員から「産婦人科の存続は必要。交渉を見守りたい」と市長に一任の意見が出た一方で、「市長は議会には事前に基本的な考えも示さなかった。4800万円でも他の医師には納得してもらえないむちゃくちゃな高額だ」と強い反対意見も出た。

 市長は21日に開かれた全員協議会で、今月末で1年契約の期限が切れる産婦人科医師(55)との更新交渉について、「医師側は現報酬額の5520万円に月2日の休みを求めており、市が提示した4800万円と休日分の上乗せ分との溝が埋まらないため交渉は難航している」と報告。「議会の意見を踏まえて最終的な判断をしたい」と議会に意見を求めていた。


枡田勇委員: 産婦人科がどうなるのか出産を控えた妊婦の不安は大変だ。契約ができなくても3カ月ほどいてくれるのか。通院している人たちにはちゃんと説明しているのか。


湯浅英男事務長: 医師との契約交渉と同時にそのことも話をしており、契約ができない場合でも相当の期間はいてくれることを確信している。妊婦の状況によって2〜3カ月は心配しないよう医師から説明している。


枡田委員: 医師から休みの要求があるのは当然のことで、市長の言う休日の買い上げは労基法で認められていない。


市長: 医師から休日の応援がいない場合にそれに見合う手当の要求があり、買い上げの表現は適切ではないと思う。


枡田委員: 休みのない労働環境をどう考えているのか。

湯浅事務長: 雇用形態は常勤ではなく常駐となっている。拘束は月、水、金の外来診察、入院回診、出産で、そのほかは自由時間。院内の部屋で待機しているが、リラックスできる時間もある。常勤の休日は当てはまらない。


市長: 緊急な状況でこの1年、1人で助産師とやってくれる覚悟で来てもらった。もし交渉が決裂しても3カ月ほどはいてくれると思う。議会の意見を踏まえて来週早々には医師と交渉したい。


三鬼孝之委員: 現状の報酬で更新できればよいと思うが、休日分を保証すれば5520万円に上乗せとなり、6千万円以上となってしまう。他の医師との感情も出てくる。1人の医師で年間の出産数は150人が限度とされ、この1年で152人と限度を超えている。苛酷な労働が続けば医療事故も懸念される。市長が示している4800万円はともかく、粘り強く更新できるよう交渉してもらいたい。


三鬼和昭委員: 昨年はいろんな状況から政治判断で5520万円となった。市長は今回4800万円を提示しているが、1人での厳しい労働条件でどの額が妥当なのかわからない。市長の交渉を見守りたい。


内山鉄芳委員: 産婦人科がなくなると妊婦にとって紀南病院や松阪に行くのは大変なことを考え、5520万円を認めた。全国的に産婦人科医師が不足し、年間150人の出産が限度とされることも考えると、5520万円が高いのか安いのかわからない。他の医師との感情問題もある。4800万円に下げても他の医師との確執は避けられないと思う。院長を含めて他の医師と話し合って納得してもらえれば4800万円でも5520万円でもよい。産婦人科がなくなると患者も減る。

市長: 内科を中心に医師はとにかく医療に努力してくれている。この1年、5520万円で院長に院内の医師を説得してもらった。それでも医師から「われわれは懸命に働いている。次の報酬は納得できるように」と何回か直訴を受けた。院内の感情も踏まえて慎重に検討して4800万円を提示した。


高村泰徳委員: 院長給与を最大限度に抑えた交渉をしてもらいたい。


津村衛委員: 市長はフェアではない。交渉中に金額を公表したのは自己防衛だ。妊婦は安心して医師の診察が受けられないし、不安を駆り立てた。


市長: 報酬額が注目されている。双方の考えをオープンにして議会や市民がどう考えるのか、決して公表したことはマイナスとは考えていない。


津村委員: 公表の結果、妊婦には不安を抱かせてしまった。4800万円や5520万円の報酬は10年も続かない。4800万円で1年だけでも続けてもらい、その間に三重大にも要望して存続に取り組んでもらいたい。


産婦人科外来待合室の様子.

むちゃな高額やめろ 他の医師不満当然だ

浜口文生委員: 市長が提示した4800万円には反対だ。議会でこんな議論をしなければいけないことは不愉快だ。1年前の交渉で議会に相談もなく5520万円を決めたことがボタンの掛け違いだ。他の医師も理解しているとの説明だった。産婦人科医師を除く現在18人の医師の平均給与はどの程度なのか。


湯浅事務長: 平均で年収約1500万円


浜口委員: 提示の4800万円は3倍以上だ。他の医師がむくれるのも当たり前であり、市長のやることは後手後手だ。こんなことでは他の医師が三重大に帰ってしまう。もっと早く議会に基本的な考えを示すべきだった。6万3千人の署名は三重大や県に出したもので、市長への要望ではない。4800万円を出すこと自体が話にならない。

 医師がいなければ総力を挙げて探せばよいのに、1年前にそれもしなかった。仮に3千万円で医師を公募すれば大学の助教授クラスが飛んでくるという話もある。風聞として産婦人科医師の開業時の話がいろいろ入ってくる。第一に他の医師が納得できる額が求められるのに話にならない高額だ。


市長: 6万3千人の署名は三重大や知事に出したものだが、病院開設者の市長の責任も当然のこと。1年前に私も医師確保に努力してきたし、病院のホームページでも募集したが、自治体病院で給与額は出せない。医師が見つからない状況で、手取額から計算して5520万円で来てくれることになった。産婦人科を残すために判断した。今回は手取額の条件も踏まえた中で4800万円の提示は市として最大限の額。


浜口委員: それは市長の詭弁(きべん)であり、1億円でも出すはずだ。だから事前に議会に市長の基本的な考えを示すべきだった。自治体病院は給与額を公表できないというが、医師個人の給与は個人情報保護法に抵触するものの、個人情報でない公募額には問題はないはずだ。1年前に医師との間で報酬額を公表しない約束をして話を進めていた。4800万円はむちゃくちゃな額だ。


枡田委員: 4800万円に減額したが、その根拠を他の医師や市民にどう説明するのか。


市長: 医師側の希望には手取額があり、その額から逆算すれば4800万円になる。


枡田委員: 4800万円に休日分をプラスすれば実質は5千万円以上になるのか。


市長: 三重大からのアルバイト医師で時給7千円。産婦人科医師はそれ以上の時給を求めているので、アルバイト医師がいないと5千万円以上になる。


中垣克朗委員長: 紀南には新宮を含め産婦人科医師が9人もいる。紀北は1人だけだ。この問題をどうするのか考える必要がある。9月に出産を控えて松阪の病院へ行った人もいる。里帰り出産でも家族が心配している。尾鷲市だけの問題ではなく、国レベルで対応しなければならない問題だ。市長攻撃は誰でもできる。とにかく頑張ってもらいたい。


市長: 産婦人科の医師不足は国の問題であり、厚労省などに対応を陳情した。現実には妊婦の不安があり、現在の医師は責任感が強いので契約ができなくとも数ヵ月は残ってくれると確信しているので安心してほしい。


三鬼和昭委員: 仮に別の医師が来ても三重大の応援は難しい。高額報酬でも市民が必要とするのなら更新できる交渉が必要だ。

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