北海道医療コンサルタント A企画 設立の目的
【医師不足の原因】
 札幌市も含めて,北海道の地域の中核病院はほとんどの場合,医師を大学の医局からの派遣で今までまかなっていました.医局というものは,医師派遣が本来の目的ではありませんが,実際には地域の医師派遣に大きな貢献をしていました.

 しかし,平成16年4月から始まった医師研修医制度のために,医学部の卒業生が大学医学部の医局に入らなくなり,医局は人手不足になってきました.それまで,北海道の大学医学部,ならびに医科大学の卒業生の7割が北海道の3大学(北大,札医大,旭川医大)の医局に卒業後は所属していました.そこから,北海道内の各地に派遣されていったわけです.

北海道の各地に医師を派遣していた,道内三大学 左から,北大,札幌医大,旭川医大

 ところが,今年の4月に研修期間を終えた研修医の進路を見ますと,北海道の医科大学の卒業生の内,北海道の医局に入局したものはわずかに,30 - 40%でした. すると,医局には派遣したくても医局員が居ないわけですから,地方の関連病院に医師を派遣できなくなります.

 私の出身の医局でも,研修医制度の前は1年に10-15人の新入医局員がおりました.しかし,今年は5人しか新入医局員がおりませんでした.それでも他科からは,「5人も入った」ということで,羨ましがられています.かつて,10人位の医局員が入っていたところでも,今は,2. 3人という所が多いのです.

【予想される今後の展開】
 さて,今後はどうなるのでしょう.
 道内各地の関連病院で医師の引き揚げが相次いでおりますが,それでも,今はまだ,研修医制度施行前の大量入局時代の医局員が医局にいるので,何とかやっているというのが現実です.

 しかし,医局員というものは,いつまでも医局にいるものではありません.入局して10年位経つと,医局を辞めて,開業するなり,先輩に引っ張られたり,あるいは自分の気に入ったところを探して就職してしまうものです.

 あと5年もすれば,医局員のほとんどが研修医制度以降の世代となるでしょう.医局員の数も今の30-40%かそれ以下になるでしょう.その時,関連病院の数は,往年の3割くらいになります.

 つまり,関連病院の内,7割の病院が医師の引き揚げを経験することになります.それは,覚悟しておいた方が良いと思います.

 その対策としては,研修医制度が,なくなるか,一時的にでもストップするのが一番良いのですが,政府の官僚どもは,その様なことは考えていないようです.政府,厚生労働省も「各病院が医師を自力で見つけて下さい.医師が就職したくなるような魅力的な病院作りをして下さい」と,他人事のように言うだけです.

 その様な愚痴を言っても,とにかく地域の病院は今すぐに医師を求めなければなりません.そして,実際に求人広告を出したりしているわけですが,どうも,私が見ていると,医師の気持ちを分かっていないようです.このようなことを最初に言ってあげれば良いのになぁ,と常々思いますが,どうもそうではないようです.
 また,せっかく就職して働いているのに,そのフォローが悪く,退職されてしまうケースも多いようです.

【A企画設立の目的】
 このA企画設立の目的は,医師である私が,病院の管理者さんや求人係の人に,どのようなことが医師を求人する際に大事なのかそのポイントをお教えすることです.そのために,この企画を設立致しました.

 どうか今後ともよろしくお願い致します.

目次  設立の目的  最近の医療情勢に対する解析  会社紹介  A企画へのアクセス 

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